日記『3月18日』※土曜日②

『色々な映画/ボーンズ・アンド・オール/バビロン/ブラック・ライト/エンパイア・オブ・ライト/ベネデッタ
※上記は標題になります。

 

 

『色々な映画』

3月に映画館で、新作映画を数本観てきたのですけど、感想を書くのを忘れていたので、簡単に書いておこうかなと思います。

 

大きな意味での『ネタバレ』は避けているつもりですが、気になる方は読まないでください。

 

『バイオレント・ナイト』と『ノースマン』を観れなかったのが悔やまれます。

 

ごめん、ビョークアイスランドのミュージシャン)。

 『ボーンズ・アンド・オール』:

18歳のマレンは、人間を食べる衝動が抑えられない女の子。

 

母を探す旅をすることになり、同族である青年リーに出会う。

 

2人は一諸に旅をすることになるのだが・・・・。

この映画は、人間を食う人食い(イーター)の話という宣伝だったので、てっきりホラー映画だと思って観ていたら、違いました。

 

序盤のあるシーンに関してはホラー映画の演出なんですけど、それ以降は観客が怖がるように作るのではなく、彼らの姿を『まるで普通なんだよ』という自然な撮り方で、彼ら人食いを描くので、怖くないんです。

 

当たり前ですが、怖がらせるように作っていないから、怖くない。ホラー映画にも見えません。


そのため、ホラー映画を観たい!人からすると肩透かしになります。

 

この映画は、ホラー映画ではなく、『グロテスクな描写がある』ラブロマンス+ヒューマンドラマだったという印象でした。

 

もう少し細かく書くなら、自分をルーツを探す旅と自分と同じ人を愛するという話です。

 

この映画は、賛否両論の問題作と呼ばれているらしいのですが、個人的には『その問題』と思える箇所を説明しずらい困った作品です。

 

ネタバレが容認されていても、抵抗感から説明したくないと思ってしまう映画。

 

これは『賛否両論の問題作』です。

 

余談ですけど、劇中で米ハードロックバンドのキッスの地獄の回想、デフレパードのパイロマニア、ドッケンとHM/HRネタが使われていて、テンションが上がってしまいました。

『バビロン』

この映画に関しては、前に書いたので、追加の話。

 

映画館で、この映画を観ている観客の雰囲気が、いつもと違っていたんです。

 

『何だコレは?』

 

だって、映画セッション、ラララランド、ファーストマンを作った監督でしょ?みたいな

 

困惑している感じです。

 

個人的には、映画って『どこを観るのか?』『違う視点はないのか?』ということを再確認するきっかけになったので、良い経験だったんですけどね。

 

 3時間ある映画なんですけど、もう少し短ければ・・・・。

 

『ブラック・ライト』

主人公トラヴィスは、FBI長官の下で捜査員の救出活動を行っていた。

 

しかし、ある事件をきっかけにFBI組織を疑いはじめる・・・・。

 

劇場でリーアム・ニーソン出演作を観るのは、2019年のスノーロワイヤルから4年ぶりくらい。


相変わらず、リーアム・ニーソンは劇場のスクリーン映えがする役者で、彼が映るたびに自然と接得力が出ます。

 

そんな感じです。

 

そういえば、映画のエンドロールが終わって、場内が明るくなった瞬間に2人の観客が大声で、この映画について『勢いよく』語り始めたときは驚きました

 

フラストレーションの爆発みたいな・・・・。

 

あの人がバビロンを観たら、どのように反応するのか?興味があります。

 

エンパイア・オブ・ライト

1980年代のイギリス。大統領はマーガレットサッチャー

 

主人公の女性ヒラリーは、海辺の町にある映画館『エンパイア劇場』で働いていた。

 

ある日、青年スティーヴンが従業員として雇われることになり、ヒラリーは彼に仕事を教えることになるのだが・・・

大人向け映画、ヒューマンドラマ映画です。

 

映画の予告を観た時に、てっきり映画館が主役で中心の話だと思っていたのですが、映画館は主役ではありませんでした。

 

どちらかというと、映画館は物語においての『一つのシーン』としての使われていました。

 

ただし、『一つのシーン』として描かれる映画館は非常に魅力的に撮影されており、観客が映画館のスクリーンに映し出された『映画館やスクリーン』を観るという楽しさは、提供されていたと思います。

 

この映画は、主人公はヒラリーであり、準主役が青年スティーヴン。彼ら2人が悩みながらも生きる。そして、『何か』を見つけるという作品でした。

 

そういうわけで、『事前に想像していた映画と違うなー』と思いながら観ていたのですが、途中からは、作品世界に心が入り込み没頭していました。

 

特に、主役のヒラリーを演じる『オリヴィア・コールマン』の演技が素晴らしかったです。

 

過剰な演技との境界線、自分が演じる役を理解した上で、過剰な演技との境界線を適切に判断しているように見えました。

 

もちろん、監督の指示もあったとは思いますが、観ていて本当に感心しました。

 

脇役としては、映画館の同僚を演じた眼鏡姿のトムブルック。映写技師のトビー・ジョーンズ。名優コリンファースが自身のオーラを消して地味な男を演じていたのも良かったです。

 

この作品、感情移入しすぎて、心を持っていかれたような映画でした。

 

余談

この映画、『オリヴィア・コールマン』の日本語吹き替えが大変そうです。

 

吹き替えだと言葉が強調されてオーバーアクションになりすぎるパターンが多いんですよね・・・。

 

音楽にトレントレズナーが参加していたことを後で知りました。もう1回観に行こうか迷ってしまいます。

『ベネデッタ』

17世紀(1601年から1700年)のイタリアにあるペシアの町。

 

主人公のベネデッタは、幼い年で修道院に入りシスター(修道女)となる。

 

やがて、大人になった彼女は、ある女性を助けることで、人生に変わり始める。

実在の人物を元にした記録を『原案』として作られたサスペンス/キリスト教の映画。

 

監督は、ポール・ヴァーホーヴェン

 

17世紀の話という『大昔の時代』を描くというのは、その時点で作品に魅力が付加させるとは思いますが、思ってた以上に魅力の付加価値が高かったです。

 

 印象としては、ともかく絵作りが上手い、俳優の動かし方が上手い、物語の作り方も上手い、音楽の使い方も良い、総合的な演出能力が高い。

 

全体的にレベル高いなーと思いながら、関心して観ていました。

 

※ベネデッタの『夢シーン』に関しては、監督の『意図的なイタズラ演出』みたいなものだと思っているので、例外の扱いです。

 

それと、作品の終盤での『物語構成』や『畳みかけるようなスピーディーな演出』は、素晴らしく。

 

観てる私は、『凄い!』『最高だ!』『凄い!』『最高だ!』と心の中で叫んでいました。

 

ようするに、この映画は『肯定的』で『高評価』ということです。

 

ただし、劇中で『やや過度』なエロス、性的な描写があるので、そこが気になる人や『ノイズになる人』は避けるべきだとは思います。

 

まだ、東京と神奈川で公開されてる劇場がありますので、興味がありましたら、ぜひ観てみてください。