日記『7月8日』※土曜日【2023年】

東京の天気/映画の感想
※上記は標題になります。

 

東京の天気

 

今日の天気は「曇」。 気温は33℃[-2] 26℃[+1]

 

明日は「雨のち曇り」。気温は32℃[-1] 26℃[0]。
 
明日は、昼時まで雨が降るようです。
 
 

映画の感想

 

ホテルがヤクザに悩んでおり、ホテルの従業員内で解決しようとするものの上手くいかない。

ホテル側は、外部からプロ(弁護士)を呼び、ヤクザ対策の経験と知識を手に入れてヤクザの食い物にならないホテルを作ろうと尽力する話。

 監督は「伊丹十三」。主演は「宮本信子」。

 

物語の中心になるのは3人。ヤクザの大作を(嫌々)任せられるホテルの従業員の男2人「鈴木」と「若杉」。

 

そして、タイトルに書いてあるミンボー(民事介入暴力)の女(弁護士)「井上」。

 

主役は、弁護士「井上」、もしくは「鈴木と若杉」の2人のどちらだが、ハッキリしない作りになっていたと思う。そのためシナリオの軸が時々不安定にも見えた。

 

作品の前半はコミカルさを強調しながら世界観と背景を描き、途中からシリアスさを強調していく形は非常に上手い。

 

記録、証拠、法律の重要性。どうやって相手の弱みを握り、食い物にしていくかを伊丹流の毒々さで描いていく様はとても魅力的。

 

ただ、ヤクザ対策をどうするか?という手法やテクニックを描くことに強気を置いているように見えてしまい。物語としてのシナリオは徐々に弱くなっていったような気がするし、終盤での感傷的な演出が目立っていたのも悪い意味で気になった。

 

日本の当時の「時代的背景」で本作を制作したことには、恐ろしさを感じる。作品公開後に起きた「監督が襲撃を受ける事件」は、それを極めて説得力のある話にしてしまった。

 

 

主人公の女優「磯野ビワコ」は殺人現場を目撃してしまう。警察に事情を聞かれ証言をすることになり、殺人犯の背後にいるカルト宗教団体は女優の口封じをしようとする。警察は、磯野ビワコの身辺保護のため2人の刑事が配属する話。

  監督は「伊丹十三」。主演は「宮本信子」。

 

タイトルの「マルタイ」は身辺保護する対象者の意味。

 

カルト宗教団体「心理の羊」によって殺された被害者は「弁護士」であり、それはオウム真理教を連想する。実際、劇中でもオウム真理教と麻原の話は出ていた。

 

作品のテーマや物語は、女優、映画、勇気と代償、他者の救済、宗教といったところだが、見終えた印象では、女優の話である印象が強い。

 

劇中で俳優が俳優を演じる、芝居をしているキャクターを演じる(芝居する)、映画の中で映画が語られるという2重構造でのシナリオはとても良かった。

 

終盤には盛り上がる見せ場を作っており、映画の終わり方(シーン)の締め方が良く。
映画監督としての遺作として悪くないのではないかと思ってしまった。

 

個人的には、各シークエンスごとに画面に大きな文字で表示される形式は物語の断絶を感じ、まるでCMカット後のようで苦手だった。しかし、作品テーマの一つが「映画」であり、ラストのある仕掛けがあり一応は納得した。

 

 本作のタイトルは『「女優の女」(女優;宮本信子)』とも捉えれる作品であったと思え感慨深いものがあった。